発達障がいについて
発達障がいとは、自閉症(高機能自閉症・アスペルガー症候群などを含む)、LD(学習障がい)、ADHD(注意欠陥多動性障がい)などをいいます。
図のように、それぞれの症状は重なり合っていることが多く、例えば自閉症の方でADHDやLDの症状を併せ持つ場合などが多くみられます。発達障がいの個々の能力には幅があり、色々な分野で才能を発揮している人も沢山います。ここでいう発達障がいとは、日常生活や社会生活に何らかの困難を抱えている人をいいます。
原因は、親の愛情不足や単なるしつけの問題、本人の性格によるものではなく、生まれながら脳の何らかの問題で起こるものです。本人のわがままと捉えられるなど、理解されにくい障がいであるため、頻繁に叱られたり注意を受けるなどが積み重なって、さまざまな二次障がい的情緒障がいが生じやすくなります。代表的なものは、抑うつ、孤立感、劣等感で、さらに不登校やいじめなどにつながることもあります。
発達障がいの中でも「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」などのことを総称して「広汎性発達障がい」といいます。
これらの障がいは主に三つの特徴をもっており、これを「三つ組みの障がい」と呼びます。
三つ組みの障がい
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社会性(対人関係)の障がい
- 人との関わりは持とうとするが、相手の気持ちや状況を考えない言動が多い。
- 関わり方が一方的、マイペース。
- 同年齢の人と相互的な関わりが持てない。
- 場の雰囲気が読み取れない。
- 年齢相応の常識が身についていない。
- 人の感情、気持ちの理解が弱い。
- 共感性が弱い。
などがあります。
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コミュニケーションの障がい
- 同年齢の人と同じくらいの言葉を使う、難しい言葉や漢字を知っている人もいる。
- 言葉の意味をきちんと理解していなかったり、文字通りの解釈をしてしまう。
- 言葉の裏の意味が分からない。
- 人の気持ちを想像することが難しい。
- 顔の表情や声のイントネーションなどから読み取れない。
- 相手が自分と同じことを知っているか、興味があるかを考えず、延々と話し続ける。
- 非言語的コミュニケーションの理解が難しい。
などがあります。
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想像力の障がいと特異的な行動
- 興味が偏る。
- 目に見えないことに楽しみがもてない。
- 応用がきかない。
- 相互的遊びは苦手。
- 考えや気持ちをリセットすることが苦手。
- 常同行動を繰り返す。
などがあります。
その他にみられる特異な症状
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感覚の障がい
- 光や音に敏感に反応するなど、特定の知覚について過敏(感覚過敏)である。
- 痛みに鈍感。
などがあります。
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知的機能のアンバランスさ
- 計算力や記憶力など特異な能力が突出している。
- 能力の凹凸があること。
などがあります。
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自閉スペクトラム症(広汎性発達障がい)
上記の三つ組みの症状があります。ただし自閉症といっても、症状は様々で感覚の問題を併せ持っていたり、一人ひとり違います。明らかに知的な遅れがない自閉症を高機能自閉症といいます。
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アスペルガー症候群
三つ組みの症状のうち、コミュニケーション障がいが軽いグループで、言語発達の遅れがあまりないのが特徴です。しかし、会話ができるために障がいがあることも理解されにくく、誤解されやすい障がいであるといえます。
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注意欠陥多動性障がい(ADHD)
「多動性」「不注意」「衝動性」を主な症状とした発達障がいと考えられています。ADHDの症状は年齢とともに変化します。一般的に多動、不注意といった様子が一番目立つのは学齢期です。思春期以降はしだいに目立たなくなるともいわれています。
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学習障がい(LD)
全体的な知的発達に遅れはありませんが、「聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する」能力のうち、いずれか一つ以上が上手くできない状態をいいます。
対象・利用案内
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ご利用対象の方
- 北九州市内及び北九州地区(中間市・遠賀町・行橋市・豊前市・京都郡・築上郡)にお住まいの自閉症(高機能自閉症を含む)、アスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障がい(AD/HD)、学習障がい(LD)などの発達障がいのあるご本人やご家族。
- 上記の人たちを支援する方々および関係機関。
- 対象となる方の年齢は問いません。
- 相談は無料です。
- 西部地区にお住まいの方は、「つばさ」の西部分所(北九州市若松区大字小敷566-8)での来所相談が可能です。
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開所時間
月~金 8:30~17:00 ※土・日・祝日・年末年始 休み
相談・支援
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電話・FAX・メールでご連絡下さい。
- 093-922-5523
- メールはこちらから
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担当より連絡
- 面接日の予約
電話でのご相談
- ご相談内容の確認
- アドバイス
- 情報提供
- 他機関紹介
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課題の整理、状態の把握
- 家庭、保育園、幼稚園、学校、施設などの所属機関の訪問
- 状態整理、評価(必要に応じて)
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支援方針の確認
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支援の継続
- 本人やご家族に対する助言
- 関係機関との連携による支援
(家庭、保育園、幼稚園、学校、施設など所属機関の訪問、対応方法の助言、情報交換、調整会議など)
相談内容例
このような悩みをお持ちの方のご相談をお受けいたします。
- 発達障がいとは、どのような障がいなのでしょうか。
- 人とよくトラブルを起こします。
- 落ち着きが無くよく動き回ります。
- 集団活動になじめません。
- 衝動的で、思いついたら行動に移します。
- 興味や関心の範囲が狭く、限られているように思えます。
- パニックを起こしたとき、どうすればよいでしょうか?
- 職場でもミスが多く、対人面もうまくいきません。
- 同じ悩みを持った親同士が話せる場がありますか?
など
「こんな相談できますか?」という問い合わせも、お気軽にどうぞ。